メアリー様
ノブレットのフィギュアを皆差し上げます。君を許したしるしにです。
君の本を読んだ時、脳の中の感情が乾燥機の中でぶつかり合うかのようでした。
唇をホチキスで留めたみたいな傷みだった。
許した訳は君が完璧でないから。君は不完全だ。もちろん僕もね。
人間はみんな不完全だ。アパートの外にいる奴も。
若い頃自分らしい自分になりたかった。
ハザホフ先生が無人島にいたら、相棒と仲良くしないとダメ 誰であろうとって。
欠点を含めて自分を受け入れろとも言った。
欠点は選べない。欠点も自分の一部なんだとも。
でも友達を選ぶことはできる。君を選んで良かったと思ってる
先生はこうも言った。
人の人生はとても長い歩道によく似てる。
舗装されてたり僕の歩道のようにヒビやバナナの皮や吸い殻があったりする。
君の歩道は僕のと似てる。でもヒビは少ないのかもね。僕たちの歩道が交差してコンデンスミルクを分けたいね。
君は最良の友だ。唯一の友達でもあるよ。
アメリカの友人 マックス・ホロウィッツ
追伸、僕にピッタリな調査会社の仕事を得た。試食品を食べて印を付けるだけ。
二年前に見てから時々なんか無性に見たくなりつつ、先日久しぶりに見た。
Wikiより
メルボルンに住む8歳の少女メアリー・デイジー・ディンクルは貧しい家庭に生まれ、玩具やまともな服を与えられず、学校でいじめに遭いながらもアルコール依存症の母は何もしてくれない。
ある日、メアリーはニューヨークに住むマックス・ジェリー・ホロウィッツという男に手紙を出すことにする。マックスはアスペルガー症候群を患う孤独な中年男性だった。
2人は数十年にわたって文通を続け、メアリーは結婚し、マックスは宝くじに当たる。しかし、メアリーがアスペルガー症候群の本を書いたことが、マックスを怒らせてしまう。
とにかく何というか恵まれない不運すぎる人生を送っているメアリー。久しぶりに見てほんとここまで不運なのどうかと思ったわw
でもこの物語の人物はみんな何かしらの不運を持ってたから、そこまで「不公平な世の中だなあ…」と虚無らずに済んだ。
マックスの世界はモノクロ、メアリーの世界はセピア色で描かれてるんだけど、メアリーからの手紙や贈り物のポンポンはマックスの世界でも赤く描かれてたり、ちょっと色が付いててそれがまた胸にくる。
「モノクロの世界に色を付けてくれたのはYOU」すぎて泣いた。
メアリーが誕生日に買って貰ったカメラでセルカを含む色々な写真を送ったのに、手紙の内容のせいでマックスが返事出来ないのよ。
メアリーはそれらしい理由を考えて待ってたけど、あまりにも来ないから最終的に手紙を燃やして無かった事にして記憶を消し去ろうとするのは分かる~~ってなった。
セルカが原因とか思いたくもないし嫌な記憶は抹消したいよ。
マックスは、アスピーの自分は
論理的でありすぎるから、世界が混乱して無秩序であるように見える。
人の感情の意味を理解することができない。
字が凄く汚く感覚が過敏で、そのくせひどく不器用で極端な心配性。
問題を解決することが好き。
感情をうまく表現できないのも特徴の一つ。
と挙げていて、自分自身は欠陥とも思っていないし治療も必要だと思わない、アスピーでいたいとも言ってるけど
一つだけ変えたい点がある。ちゃんと泣きたいって言うんだよね。
頑張っても頑張っても涙が出てこないと。
そう言ってる時、何代目かの金魚が死んでトイレに流すシーンで、あんまりにもあっさり入れ替えられていく金魚達だったけども、そりゃそうだよね…。
そう見えなくても泣いてるし悲しんでるんだよね…。
それからの返事にメアリーが自分の涙を贈ってあげるんだけど、その入れ物が痔の薬の瓶でせっかくの優しさが台無しww
便箋に肉の包み紙使ったり色々え…?なところあるよね。やはり一般的ではない生活環境の表れなのかしら。
中盤ではマックスの買い続けた宝くじが当たったり、それに倣ってアイビーさんが豪遊できたり、メアリーがめちゃくちゃ頑張って本が出せるラインまでもっていったり、結婚したりと多少の救いがあった。
しかしメアリーの夫のダミアンがまたよりによってそれを選ぶのかという選択をして、私ならより立ち直れないわと思っていたらメアリーもしっかり死のうとするのよね…。
その時に流れる音楽がPink Martini - Que Sera, Seraという曲。良い。
最後の最後は涙なしでは見れない。
まあなんというか全体的に悲壮感漂っている映画なのですが、なーんか時々見たくなっちゃう。
不運でも一人でも、心からの友達がいるって心強いなぁ。
PS.家の雄鶏が可愛かった
PPS.今回お母さんがうっかり劇薬飲んじゃった時にお父さんに剥製にされた鳥の歯が見える描写に震えた。
PPPS.Love yourself first
明日からも頑張ろう。